トランクルームの片づけ終了

5月8日。
亡き母は和裁も洋裁もできるひとで、ほとんどの着物を自分で縫っていたので、実はまだ着物にしていない反物もゴマンと出てきた。まだ開いていないんだけど、ずっとしまいっぱなしなのでシミやらカビやらで使い物にならないのではないか。
今日はトランクルームで最後の着物探しになる。がんばるけど、母の来ていた思い出が詰まっていると思うので、今から気が重い。

5月10日。
昨日は着物の査定に来てもらった。何時間もかけて着物をふりわけていたが、留め袖や喪服、羽織、シミが出ているものはダメ。でも少しでも買ってくれたら残りは破棄ではなく、ホームなどの施設でのリフォーム用に届けるとのこと。ホッとした。破棄は悲しい。

結局買ってもらえたのは、着物が5枚、帯が3枚、反物が5反。反物の中には実は100万近いものもあったけれど、結局500円。開いた口が塞がらないが、大島紬にも流行があって母のものは今はあまり売れないとのこと。縫いに出しても誰も着ないと思うので仕方なく買ってもらった。全部でなんと2900円。悲しい。母のものがこうやってなくなっていく。

わたしの振り袖と帯だけは持っていくつもり。着るわけではないが思い出として。だって初めて着たのは何十年も前の成人式なのだから。

トランクルームは半分以上カラになった。

5月14日。
トランクルームがカラになった。鍵も返してこれで全部終わり。母が亡くなり、実家が売却され、残った物の整理も終わって、廃品回収業者が残りを全てゴミとして持ち去った。

家族のひとつの時代が終わったたということで、安堵と寂しさがため息とともにガランとしたトランクルームに響く。

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